【北ア】  黒部横断その2 ~ザラ峠越え~ 山スキー

 

前夜は暖かくてツェルトでも快適だった。

 

 

 

ザラ峠に向けて中ノ谷を詰め上げていく。

裏銀座の山々が遠望できるようになると峠は近い。

 

 

 

 

そしてザラ峠

 

今回、400年前に佐々成政一行が通ったであろうルートを逆行してきたわけだが、

やはり、「さらさら越え」のこの場所が最も感慨深い。

 

 

 

 

ザラ峠から見下ろす湯川谷源頭と立山カルデラ

 

斜面はまだ雪が緩んでおらず。一泊だとどうしても時間的にそうなってしまうワケで。

急ぎたいところだがそれでも30分待つことに。でも30分じゃあねぇ…。

 

意を決して氷化した源頭斜面を滑り降りるがかなりスリリング、ていうか危ない!

一泊で抜ける人は大概ここをアイゼン下降しているがごもっとも。

 

 

 

 

板を履いて慎重に滑り下りたが斜面の下半分は一面のデブリに覆われており…orz

こうなると板を担ぐしかなく、初めっからアイゼンで下ればよかったという顛末。

 

スムーズじゃなかったけど、まぁ無事に立山カルデラ内に潜入。

 

 

 

 

手付かずの自然をいつまでも満喫したいところだが、さっそく人工物のお出ましとなる。

今回は左岸→右岸沿いに堰堤を突破できたが、早めに左岸の台地に乗ってしまうのが良さげ。

ここから白岩堰堤下までルートファインディング命!

 

 

 

 

松尾谷出合先の堰堤をパスすると一気に左岸がひらけ平坦に。

ヒーヒー言いながらストックで漕ぎ漕ぎしつつ、振り返ってはカルデラ壁を仰ぐ。

 

いよいよ砂防工事エリアに突入なのだが、

このあたりに「点の記」でもおなじみの立山温泉があったらしい。

しぇるぱの生まれた年まで営業していたが、今は工事従事者用の「天涯の湯」が残るのみ。

 

かつての立山の登山基地は、今やダンプや重機が行き交う場所になってしまった。

 

 

 

 

 

 

立山温泉のあった平坦地からガケを下って多枝原谷東隣の無名沢に架かる橋を渡る。

砂防エリアをスンナリ抜けるにはこの橋の通過が欠かせない。

ここはしっかり地形図を読みたいところだ。

 

 

 

インクラインを下ると落差60m超の白岩堰堤が全貌を現す。

この堰堤は国の重要文化財に指定されたとか。

 

ここにあるのは、自然の猛威と人類の英知との終わりの無いせめぎあい。

えらいこっちゃ!

 

 

 

 

白岩堰堤を過ぎれば湯川谷に架かる橋を何度も渡る。

滑るというより川沿いをひたすらクロカンとなる。

標高も800mを下回りおまけにピーカン、気温も上がりもう汗だく・・・。

 

でももう難所はないからいいやって思っていたら、天鳥堰堤で道が途切れてしまい右往左往…。

ここは山側に一段上がって道跡らしきものをたどったら無事クリアー、ホッ。

 

 

 

 

常願寺川沿いのクロカンも3時間近くなった頃、遠くに建物が見えた。

 

「うおぉーーーっ!!!」

 

何だろう、この胸の奥底からこみあげてくるものは!

久々に感動してしまったかも。

「四十 ニシテ 惑ハズ」の域にはまだまだ達してないねぇな。笑

 

結局、駅前の道路まで雪はバッチリつながっていた。なんと!

 

 

 

 

何年もあたためるのみだった黒部横断計画。

やっと、やっと行けたよってのが正直なところ。

 

当初の心配をよそに、雪の量はけっこう多かったかな?

黒部湖しかり常願寺川しかり。でも中ノ谷の滝はバッチリ出ていたなぁ。

とにかく雪がつながっていてくれてよかった。 

 

次回は馬場島に抜けてみたいけれど、チャンスは来るかな?

ま、気長に待てばいいじゃん!

 

 

 

 

 

 

 

 

2014.3.29. Thu 黒部横断その2 ~ザラ峠越え~

 

【 中ノ谷6:00 -ザラ峠8:00 -立山温泉跡10:15 -白岩堰堤11:00 -立山駅14:30 】